デジタルデトックス ②
13:16~19:58が衝撃的だったのと、32:55~34:25はやっぱりなという感じ
13:16~ はスマホの長時間使用と成績の関係。
以前 デジタルデトックス① において、ある生徒の紹介をしたが、そうした事例があるので悪影響があるのは知っているつもりだった。
しかしグラフで見て、「長時間使用になるとこんなに綺麗に成績上位者がいなくなるの!?」と驚く。
32:55~ はスマホ検索と紙の辞書の検索の記憶への残り方の違い
学生時代から思っていたのが、「紙の辞書で調べるよりも電子辞書で調べる方が記憶に残りにくい」ということ。
電子辞書は大学生になってから購入したのだが、同じ単語を何度も調べていることに気が付いた。
「簡単に手に入れたものには価値がない」というけれど、これもそういうことだよな、などと感じたものだった。
(余談だが、僕はすぐに答えを教えることはしない方針だ。それだとすぐに忘れてしまうだろうから。)
最近は電子辞書ではなくスマホで調べるが、電子辞書よりもさらに記憶に残らないと感じている。
ひどい場合は指さえ動かさないで「オッケーグーグル」で済ませてしまう。
その場しのぎでしかないことはわかっているのに、楽すぎてついやってしまう。
さて、ここからはスマホの長時間使用が学力に悪影響を及ぼす理由について、それっぽいことを書いてみる。
どこかで見聞きしたことだったり、僕の勝手な想像だったりで、出典が出せないので間違っていたら申し訳ない。
何もせずぼーっとしていると記憶が整理されたり、新しいアイディアを閃いたりしやすくなる。(デフォルトモードネットワークが活性化しているというらしい。)
学んだことの理解が深まったり、点と点だった知識がつながったりする瞬間を感じたりするのは、ぼーっと、あるいはゆったりとしているときに多いように思う。
数学では、理解できなかったり解法が見えなかったりするとき、一度諦めて別のことをしていると、ある瞬間に突然解決の糸口が見えることがある。
この瞬間は大体、外を歩いているときだったり、シャワーを浴びているときだったりといった、脱力して何も考えていないときだ。
考えていなかったはずなのに、頭の中にふっとその問題が現れ、そしていつの間にか答えにたどり着く、そんな感じだ。
個人的にはこの経験が多ければ多いほど数学にのめりこめるし、概念に対する理解が深まると思う。
ぼーっとしている時間は何も生み出さないのではなく、「何かをしている時間には得られない+α」を生み出す時間のように思われるということだ。
逆に、スマホいじりはぼーっとする時間を潰すことになる。
一見すると無駄なく時間を過ごせており、効率的に見える。
退屈な移動時間もお気に入りの音楽を聴きながらならご機嫌だ。
検索すれば面白いこと、楽しいこと、笑えることなどをいくらでも簡単に見つけられる。
短時間でドーパミンが分泌される。
しかしこうしたことに慣れると、数学のようなドーパミンの分泌に時間がかかる娯楽には興味がなくなっていく。
そして興味が持てないから記憶にも残らないし、ぼーっとしているときに突然閃く、という経験をすることもない。
デジタル機器の扱いの難しさは大人(デジタルネイティブ世代以前)には理解できると思う。
デジタル機器が今ほど浸透していなかったときは、みなそれなりにぼーっとする時間があった。
しかし子どもたちにとってはそうした経験が少なく、比較ができない。
そのため何が危険なのかを理解することが難しいので、伝えようとしてもなかなかわかってもらえないものだと感じる。
デジタルデトックス① で紹介した、デトックスに挑戦されたご家庭のように、多少強引にでも引き離し、スマホのない時間を感じさせるのは一つの手であるように思う。